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か行

か行の不動産用語解説集一覧です。

開発行為

将来必ず建築物か特定工作物を造るという目的が必要です。許可を受けなければならない開発行為というのは、主として建築物の建築、または、特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質(※)の変更をいいます。ちなみに特定工作物は第1種特定工作物であるコンクリートプラント、アスファルトプラント、クラシャープラント(砕石工場)と第2種特定工作物であるゴルフコース、10,000㎡以上の野球場、テニスコート、遊園地などです。

※土地の区画形質の変更

  1. 土地の区画の変更=敷地の分割
  2. 土地の形状の変更=盛土、切土等の造成工事
  3. 土地の性質の変更=農地から宅地への境目の変更等

買戻の特約

不動産の売買において売主が将来その目的物を買い戻すことができる旨を約する当事者間の特約のことをいいます。

その買戻しの方法は、法律的には売主が留保した解除権の行使によって元の売買契約を解除する、というものです。この特約は、売買による所有権移転登記に附記して登記すること(附記登記)により、第三者に対抗できることになります。この制度は、実際には不動産の所有者が他人から融資を得ようとする場合に、融資者に目的不動産の所有権を移転するという、債権担保の作用を果たすものです。

買戻の要件は厳格に定められています。

  1. 目的物は不動産に限ること
  2. 買戻特約は売買契約と同時になすこと
  3. 買戻代金は「買主が実際に払った売買代金と「契約費用(登記代等)」にかぎられる
  4. 買戻期間は10年を超えることができないこと等です。

解約手付

手付の額だけの損失を覚悟すれば、相手方に債務不履行がなくても、相手方が履行に 着手するまでは契約の解除ができるという趣旨で交付される手付のことを解約手付といいます。買主は手付を放棄し(手附流し)、売主は手付金の倍額を買主に返して(手付倍返し)、契約を解除することができます。

確定日付のある証書

例えばA(債権者)はB(債務者)に対して1,000万円のお金を貸し付けていて、弁済期が来年の3月となっていた場合、Aがその1,000万円の債権を早くお金に変えたいと思い弁済期前に友人Cに800万円で譲渡(売買)しました。しかし、お金に困っていたAはDにも同じ債権を800万円で譲渡(売買)してしまいました。この場合債務者Bは、C又はDのいずれに、お金を支払えば有効な弁済になるか、この場合AからCに債権を譲渡したという通知をAからBにします。又、AからDに債権を譲渡したという通知もBにしました。このように債権が二重譲渡された場合、その通知が確定日付のある証書によってなされた方に弁済すれば有効な弁済となります。「確定日付のある証書」の典型例は、内容証明郵便、公正証書です。これは関係者が虚偽の書類を作成して、債権譲渡の通知・承諾の日付を遡らせるという不正を防止しようとしたものです。ともに確定日付のある証書による通知または承諾がなされた場合には、確定日付の先後でなく、通知の到達の日時または承諾の日時の先後によって優劣を決しようというのが最高裁の判例です。

瑕疵ある意思表示

「意思」と「表示」との間には不一致はありませんが(従って意思表自体には欠陥がない)、その内心を形成する動機の形成段階に他人の不当な干渉によって瑕疵(欠陥)がある場合のことを、瑕疵ある意思表示といいます。要するに、意思表示の内容が内心の意思と合致していても、それが詐欺または脅迫によってなされたという場合のことです。

瑕疵担保責任

売買の目的物に隠れた瑕疵、すなわち通常人の注意をもっては知り得ない欠陥が存在する場合の売主の責任のことをいいます。瑕疵というのは、その物が通常有すべき品質、性能を有しないことをいいます。例えば家を買ったが柱が白蟻に食われていた場合のように、目的物に物質的な瑕疵(キズ)があった場合です。家を建てるために土地を買ったところ都市計画や建築基準法の制限があって建てられなかったというような「法律的な瑕疵」があった場合も含まれます。

仮換地

土地区画整理事業は、換地処分をもって終了するが、事業の中途で仮換地の指定が行われることがあります。これは、道路の拡幅等の工事をするため、従来からある建物がジャマになるが、換地計画で定めた換地に直ちに移転することが困難な場合等にとりあえず他の土地を一時的に使ってもらおうというものです。

仮換地の指定は、その仮換地となるべき土地の所有者および従来の宅地の所有者に対し「仮換地の位置、地積、仮換地の指定の効力発生の日」を通知して行われます。

仮登記

仮登記は、直ちに本登記をなすべき実質的要件を完備しない場合(売買はまだ成立しないが、予約がなされているとき等)又は形式的要件が完備しない場合(登記義務者の協力が得られないとき等)にあらかじめ順位を保全する目的でなされる登記です。

1号仮登記(物権保全の仮登記)

登記すべき物権変動はすでに生じており、本来ならば本登記を申請すべきですが、登記申請に必要な手続き上の要件が不備な場合にすることができます。申請書に登記義務者(売買の場合、売主のこと)の権利に関する登記済証を添付できないとき等です。

2号仮登記(請求権保全の仮登記)

登記すべき物権変動がいまだに生じていない点が、1号仮登記とことなります。将来において権利変動を生じさせる請求権があるときにする登記をいいます。売買予約による所有権移転請求権の仮登記等です。

監視区域

国土利用計画法で次の2つの要件のいずれをも満たす区域について都道府県知事(指定都市の場合にあっては市長)が、あらかじめ土地利用審査会および関係市町村長の意見を聴いて5年以内の期間を定めて指定するものです。

  • 地価が急激に上昇し、または上昇するおそれがあること
  • 地価の急激な上昇等によって適正かつ合理的な土地利用の確保が困難となるおそれがあると認められること

俗にいうならば、「土地ころがしが横行している若しくは横行しそうな」区域ということになります。従って通常の面積基準では網の目が大きすぎて土地ころがしの取引を見逃してしまうことになります。従って、都道府県知事は通常の届出性の面積基準を引き下げ、「都道府県の規則で定める面積」にし、土地転がしのチェックをします。

干拓地

海や沼などの水をほした陸地のことです。宅地としてはあまり好ましくありません。

換地

土地区画整理法で、区画整理後に割り当てられる土地をいいます。ただ、実際には場所的移動がなく、単に減歩にとどまる場合もあります。たとえば、道路に面した宅地の場合、拡幅のための減歩のみで場所は動かないでよいことがあり、この場合でも、施行後の宅地が換地という考え方です。

危険負担

売買、賃貸借のような双務契約(両当事者が互いに対価的な意味をもつ債務を負う契約)において、各債務が履行される前に一方の債務が債務者の責に帰すことができない事由で履行が不能となり消滅した場合に、他方の債務はどうなるのか、という問題を危険負担の問題といいます。例えば、売買契約成立後に、目的物件である建物が類焼によって焼失したり、落雷、地震で滅失・倒壊したりして売主の建物引渡債務が消滅した場合に、買主のほうの代金支払債務はどうなるのか、消滅するのかしないのか、という問題です。

なお、この危険負担は、契約締結後、引渡し前に目的物件が滅失・毀損した場合の問題であって、契約締結当時すでに目的物件が存在しない場合は、この問題ではありません。契約締結当時に目的物件がすでに存在しない場合は、そもそも契約が有効に成立しない。そして、目的物の不存在について善意でかつ無過失の当事者は、相手方も無過失のときは別として、契約が有効だと信頼したために自分に生じた損害の賠償請求ができる、と解釈されています。この問題を「契約締結上の過失の問題」と呼んでいます。

規制区域

国土利用計画法で、規制区域内は、土地の面積の大小を問わず、土地売買等の契約を締結しようとする場合には都道府県知事の許可を受けなければなりません。小規模取引について例外を認めれば、規制区域内に二重価格が生ずることになり、許可制の運用が困難となるからです。

規制区域の指定要件

  1. 都市計画区域内の場合、その全部又は一部の区域で土地の投機的取引が相当範囲にわたり集中して行われ、又は行われるおそれがあり、及び地価が急激に上昇し、又は上昇するおそれがあると認められること
  2. 都市計画区域外の場合、1.の事態が生ずると認められる場合において、その事態を緊急に除去しなければ、適正かつ合理的な土地利用の確保が著しく困難となると認められること。

小規模面積に関係なく都道府県知事の許可を受けなければならないことから大きな取引の制限になることから、過去一度も規制区域が指定されたことはありません。

北側斜線制限

北側にある建築物の日照等を確保するために北側斜線制限の規定がおかれています。

第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域、第2種中高層住居専用地域(第1種中高層住専および第2種中高層住専のうち、日影による制限のある区域は除く)で建築物の各部分の高さは、当該部分から前面道路の反対側の境界線または隣地境界線までの真北方向の水平距離に1.25を乗じたものに、

  1. 第1種低層住居専用地域又は第2種低層住居専用地域内の建築物については5m
  2. 第1種中高層住居専用地域又は第2種中高層住居専用地域内の建築物については10m

を加えたもの以下でなければなりません。

虚偽表示

相手方と通じてする「内心の意思」と「表示」とが一致しない意思表示です。相手方と通じてウソの表示をするのだから通謀虚偽表示ともいいます。虚偽表示は、そもそも双方の当事者にその表示した内容に対応する内心の意思が欠けているのですから、法律はこれを無効としています。

たとえば、債権者からの強制執行をまぬがれようと考え、債務者である不動産の所有者が、真実は売却する意思がないのに相手方と通じあって、仮装・架空の売買契約をするというように、相手方と通謀して行う虚偽の意思表示を、虚偽表示または通謀虚偽表示といいます。たとえ虚偽の売買契約書を作成し、登記を買主に移転したとしても、所有権は買主に移らず、また買主名義の登記も無効ということになります。

しかし、この虚偽表示の無効をもって善意の第三者に対抗できないものとしています。例えば、上の例で買主が「自分が所有者だ」と称して第三者に売却してしまった場合、もしその第三者が前の売買が虚偽表示であることを知らず、自分に売ってくれた人の所有物であると思っていた(善意の)ときならば、真の所有者(もとの売主)は第三者に対し自己の所有権を主張し得ない、具体的には「返してくれ」といえない、ということ です。その理由は、通謀して虚偽の外形を作った者よりも、そのことを知らなかった(善意の)第三者を保護するほうが正義公平に合致するからです。この場合、第三者は善意でさえあれば、知らなかったことについて過失があっても保護されます(判例)。また、善意であれば、まだ移転登記を受けていなくても保護されます(判例)。

区分所有権

いわゆる分譲マンションのような一棟の建物のうち、構造上区分された数個の部分で、独立して住居、店舗、事務所その他の用途に供される部分を有している建物のことを区分所有建物といい、この区分所有建物の共用部分を除く部分を目的とする所有権を区分所有権といいます。マンションといっても賃貸マンションは当然区分所有権の対象にはなりません。所有権が区分されていませんし、通常オーナーは一人だからです。

区分所有建物

専有部分と共用部分とで成り立っています。

1.専有部分

区分所有権の目的となる建物の部分、すなわち一棟の建物のうち構造上区分された建物の部分で、独立して住居、店舗、事務所その他の用途に供することができる部分をいいます。いわば、居住等をしている部屋自体のことです。

2.共用部分

専有部分以外の建物部分のことをいいます。

共用部分には、法定共用部分規約共用部分とがある。

法定共用部分というのは、例えば共同の玄関、階段、廊下、エレベーターなど専有部分以外の建物部分と、例えば配管、配線、エレベーターの機械などその建物の付属物のことをいいます。法定共用部分は、その性質上当然に共用部分とされるものであり、登記される事項ではありません。

これに対し、規約共用部分とは、例えば集会室や管理人室のように本来専有部分になり得る部分や、附属の建物(例えば建物以外の集会室や倉庫)を規約で共用部分としたものをいいます。規約共用部分は、その旨の登記をしないと、第三者に対抗することができません。

なお、マンションの分譲業者のように、最初に建物の専有部分の全部を所有する者が規約でこの定めをすることができますが、公正証書によって設定しなければなりません。

区分地上権

土地の地下または空中の上下の範囲を定めて、その一空間について地上権を設定することができます。例えば、地下鉄や高速道路、高架線のために地上権を設定するような場合で、この地上権を特に区分地上権といいます。

建築確認

建築主は、建築物の建築等をしようとする場合には、工事着手前に、建築計画が建築基準関係規定に適合するものである旨の建築主事又は指定確認検査機関の確認を受けなければなりません。この確認のことを建築確認といいます。指定確認検査機関とは建築主事に代わって建築物の確認又は検査(中間検査・完了検査)を行います。

下記に建築確認が必要な建築物を表にまとめます。

適用区域 建築物の種類と規模 新築 増築・改築
・移転
大規模修繕
大規模模様替
用途
変更
都市計画区域の内外を問わず全国すべて 特殊建築物
その用途に供する床面積の合計が100平方メートルを超えるもの
大規模建築物・ 木造建築物

ア)3階以上
イ)延面積500平方メートル超
ウ)高さ13m超
エ)軒高9m超

ア~エのいずれか

-
木造以外の建築物

オ)2階以上
カ)延べ面積200平方メートル超

オ、カのいずれか

都市計画区域内もしくは準都市計画区域内又は知事の指定区域 一般建築物 防火地域・準防火地域内全部の建築物 - -
防火地域・準防火外 床面積10平方メートル超 - -
床面積10平方メートル以下 - - -

※○は建築確認が必要な場合です。

建ぺい率

建築物の建築面積(同一敷地内に2以上の建築物がある場合にはその建築面積の合計)の敷地面積に対する割合をいいます。   

建ぺい率(%)=(建築物の建築面積÷敷地面積)×100

※建築面積とは地上各階のうち水平投影面積のうち最大なものです。

権利金

代金、借賃以外に授受される金銭のひとつで原則として返還されません。

権利能力

権利をもち、義務を負うことのできる資格又は地位のことを権利能力といい、すべての自然人及び法人がこれを有します。すなわち、自然人の権利能力は出生に始まります。もっとも、胎児でも不法行為による損害賠償請求、相続、遺贈については例外的に権利能力を有します。原則として

行為能力

単独で完全に有効な法律行為を行うことができる資格のことを「行為能力」といいますが、結局「制限能力者」とは、この行為能力について一定の制限のある者を総称していうものです。法律が制限能力者制度を認めたのは、そういう一定の人を普通の人と差別して能力を認めない、という趣旨ではなく、それらの人が正常な判断能力を有しないことが多いことから、取引の結果不利な場合に、その取引を取消すことができるものとして、その者を保護しようとするためです。また、この制度は、法律で一定の者を一律・画一的に制限能力者として決めることにより、取引に入ろうとする相手方にとっても取引の安全が図られるという結果になっています。

高度地区

用途地域内において市街地の環境を維持し、または土地利用の増進を図るため、建築物の高さの最高限度または建築物の高さの最低限度を都市計画で定める地区です。

近年は、主要都市から離れたところに空港を作るようになりましたが、市街地に空港を作るようになりましたが、市街地に空港を備えている都市の空港周辺の土地には高度地区が定められています。このように高度地区は飛行機の離着陸のために、周辺の土地の建築物、工作物の高さの制限をしています。

高度利用地区

用途地域内の市街地における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るため、建築物の容積率の最高・最低限度、建築物の建ぺい率の最高限度、建築物の  建築面積の最低限度並びに壁面の位置の制限を都市計画で定める地区です。敷地に鉛筆のようなビルを建てないように建築物の建築面積の最低限度などを定めて敷地を高度に利用しようとするものです。

固定資産税

固定資産(土地、家屋および償却資産)を賦課期日(1月1日)において所有している所有者に対して、4月1日から翌年の3月31日までの年度の年税額の全部を課税します。従って、1月2日以降に固定資産税を取得した場合、その都市の固定資産税は課税されません。つまり年の途中で所有者が変わっても、いったん発行された納税通知書の内容は変更されないため、実際は売主と買主が税の負担を決めるのが通常です。又、毎年課税されるので、取得したときのみ課税される不動産取得税とは異なり、長い目でみるとその税負担は大きくなります。ちなみに固定資産税の標準税率は1.4/100です。

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